PROFILE

高田智士(たかださとし) バリトン

父が国立音楽大学声楽科助教授、母はソプラノ歌手、兄はのちにバリトン歌手、という音楽一家に育つ。

小中高は恵まれた音楽環境にもかかわらずバスケットボールにどっぷりと浸かる。その腕前は音大時代の美大リーグでリーグの得点王に輝いたほど。しかし音大のぬくぬくとした運動不足生活により足腰の筋肉は低下、それにより左膝前十字靭帯を断裂。歌えるバスケットボーラーの夢は絶たれる。

また兄の影響でギターにもハマり、ライブハウスでギターをブインブインいわす高校生となる。

高校生活の中で自分の将来を模索する中、地元にきた海外引っ越し公演のオペラ「魔笛」を鑑賞、感動したのをきっかけに声楽家を目指す。

静岡県立富士高等学校、国立音楽大学声楽科卒業。同大学大学院音楽研究科歌曲専攻(ドイツ歌曲)修了。

新国立劇場オペラ研修所第8期生として3年間研修し、Martin Katz氏や、Richard Harrell氏、Sergio Bertocchi氏、Brian Masuda氏他、度重なる著名な指導者のマスタークラスやレッスンを経験し、現在の音楽性や芸術性の基礎を築いていった。

その後2008年より2012年までドイツに留学、Akademie für Tonkunst Darmstadtのオペラ科を優秀な成績で修了。現地の劇場にてロックオペラ『ジーザスクライストスーパースター』使徒役で出演。また、数多くの演奏会に出演、地元紙に取り上げられるなど好評を博す。

2003年国立音楽大学大学院オペラ『秘密の結婚』ロビンソン伯爵役でオペラデビュー。その後主な役として『フィガロの結婚』伯爵役・フィガロ役、『コシ・ファン・トゥッテ』グリエルモ役、『ドン・ジョヴァンニ』表題役、『愛の妙薬』ベルコーレ役、『ジャンニ・スキッキ』表題役、『ボエーム』マルチェッロ、『蝶々夫人』シャープレス、『天国と地獄』ジュピター、『夕鶴』運ず等を演じてきた。また、カヴァーキャストとしては神奈川県民ホールオペラシリーズ2015黛敏郎作曲『金閣寺』鶴川役、加藤昌則作曲『ヤマタノオロチ』スサノオノミコト役、セイジ・オザワ・松本フェスティバル2019「エウゲニ・オネーギン」隊長役、2021新国立劇場「ランメルモールのルチア」エンリーコ役、東京二期会オペラ劇場「フィガロの結婚」フィガロ役などを務めた。

ベートーベン『第九』、モーツァルト・フォーレの『レクイエム』、ロッシーニ『小荘厳ミサ曲』等コンサートソリストとしても活躍。

近年は群馬交響楽団高校芸術鑑賞教室ソリスト、茅ヶ崎市民文化会館リニューアルオープン記念演奏会では神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会ベートーベン作曲オペラ「フィデリオ 」の囚人2として世界的指揮者チョン・ミョンフンと共演。二期会オペラ劇場ではプッチーニ作曲「3部作」ピネッリーノ、黛敏郎作曲「金閣寺」鶴川役、「椿姫」ドゥフォール役で出演。2021年にはランゲ作曲「雪の女王」日本初演に関わり、カイ役を好演した。

声楽を野崎靖智、秋葉京子、Marcella Reale、Sergio Bertocchi、Elisabeth Schmock各氏に、室内楽をMattias Gräff-Schestag氏に師事。

二期会会員。